上級サイドマウントダイバー向けケーブ
こんにちは、マヤンアンダーワールドのみきです。ついに待望のセノーテ「パロミタ」へ潜ってきました。ゲスト様も私も潜りたい気持ちは以前からあり入り口までは行くものの、なかなか潜れるチャンスがありませんでした。グスタボも久しく潜れていません。
というのも、セノーテは国の管理下などではなく、全てが所有地でありそれぞれに所有者がいます。なので通常、そのセノーテの所有者もしくは管理者に許可を得て所有地におじゃまし、ダイビングをします。その場に誰も居なければ、無許可で所有地におじゃまするわけにはいきませんから、ダイビングも諦めざるを得ません。
多くの人が訪れる、観光地と化したセノーテは定休日が決まっていたり、臨時定休も事前にお知らせがあったりですが、人気の少ないセノーテでは、来てみたけど開いてない人が居ないなんてこともよくあることです。
という理由で残念ながら今日までチャンスがありませんでしたが、昨日「パロミタ」をエクスプロアした張本人に遭遇。聞くと、ちょうど数日前に潜りに行ったばかりだから、開いているんじゃないか〜。という有力情報により、翌日のセノーテチョイスが決まったわけです。
ラッキー、管理のおじさんがいて入り口の蓋を開けてくれました。入り口は、この道路際の穴ボコ。普段は蓋が閉めてあります。シリンダーを一本ずつロープで降ろし、下で受け取り準備をしますが、ここでひとつ注意点。
この様に空気の流れがない閉鎖された空間な上、病原菌やウイルスを含むコウモリの糞が微粒子となって空気中を漂っていることが予測されます。それらを吸い込むと、ヒストプラズマ症トキソプラズマ症などの感染症に繋がるとのこと。通常通りの呼吸が出来なくなり息苦しさが続くようになったり、咳や発熱、倦怠感といった症状があげられます。
気温も高い中、シリンダーを運び上げ下ろしすることにより、呼吸が浅く早くなり一層それらの体に良くない気体を吸い込むリスクが高くなるところ。ダイビング直前までマスクをして一通りの準備を済ませました。
道路の真下の空間、車が走る音もよく響きます。
この小さな裂け目からエントリーし、往復約1時間半程のダイビング。1時間半潜っても、進んだ距離は大したことありません。なぜなら・・
道中はずっとこんな狭さ。水底にはシルトと呼ばれる、石灰石が砕けた軽い沈殿物。そっと進まないと、巻き上げてしまい視界不良の原因となります。同じくフィンキックで進もうとすると、巻き上げてしまうので、水底の突起に指先を引っ掛け、指先の力だけで進んだり。
水底が沈殿物で覆われ、突起も見当たらない場所は、プラス浮力気味に体を維持し、天井の突起を頼りに進みます。
背中にシリンダーを背負う、バックマウントスタイルでは絶対に通り抜けられません。両脇にシリンダーを保持する、サイドマウントスタイルの長所が抜群に生かされるポイント。
時にはシリンダーをセパレートさせないと、通り抜けられない場面も。
そうこう慎重に進んでいると、時間の割に進んだ距離は大したことないのです。また、やや引き込まれる向きでの流れもあり、更に進むと更に流れが強くなるエリアへと繋がります。帰りは流れに向かって泳ぐことになりますので、それらを考慮して早めに帰路へ。
また挑戦したいと思わせる、なんとも刺激的で、中毒性のあるケーブでした。
間違いなく、上級サイドマウントダイバー向けケーブ、リストのうちのひとつ。
多くの方が、こんな変なところ。と思われるかもしれませんが、いつの間にか皆様もそんな変な世界にハマっちゃっている。なんてことがあるかもしれませんよー。
明日はご家族揃ってカバーンダイビングです。
では。